往生要集

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往生要集

解題

■2023年度展観「〈紫式部〉の物語」27/48
 漢文で書かれている『往生要集おうじょうようしゅう』(26参照)をひらがな交じりの和文にし、挿絵を入れて読みやすく編集したもの。複数種ある本書のうち、本資料は元禄2年(1689)版をもとに再刻した寛政2年(1790)本。上巻が「地獄物語」、中巻が「六道物語」、下巻が「極楽物語」。このうち、展示箇所(第1冊12カット目)は上巻「地獄物語」の「第四 衆合地ごくの事」の挿絵。衆合しゅごう地獄とは殺生せっしょう偸盗ちゅうとう邪淫じゃいんを犯した者が堕ちる所で、挿絵が描いているのは邪淫の罪で堕ちる地獄の様子。
 『源氏物語』には「地獄」の語は見えないものの、たとえば明石あかし巻に登場する罪に苦しむ故桐壺きりつぼ院の霊について、醍醐だいご天皇の堕地獄だじごく説話との関連が指摘されるなど、地獄へのまなざしをたしかに感知することができる。

 
項目内容
請求記号024.3-463-3
ヨミオウジョウヨウシュウ
Ōjō yōshū
資料別名
著者名源信[著]
著者別名
出版者(京都)菱屋治兵衛
サイズ
数量単位3(冊)
刊年寛政2(1790)
コレクション禿氏文庫
OPAC
IIIF ManifestIIIF Icon https://da.library.ryukoku.ac.jp/iiif/120009/1/manifest.json
関連リンク
備考●挿絵あり
●2冊目巻末に「花階寺」の墨書あり
●3冊目巻末に「福壽軒藏板目録」あり
カット数106
画像種別カラー