往生要集

  • < 前へ
  •  
  •  
  • 次へ >
往生要集

解題

■2023年度展観「〈紫式部〉の物語」26/48
 源信げんしん(942?1017)(25参照)の主著で、寛和元年(985)成立。極楽と地獄の概念を明示し、極楽往生するための念仏の重要性を説く。成立翌年には中国の天台山国清寺にもたらされ、皇帝をはじめ多くの帰依者を得たという。本書は鎌倉時代に少なくとも3度刊行されており、そのうち本資料は完本として現存最古とされる建長版である。
 展示箇所は、?「建長五年」刊を明かす第六冊末の識語(第6冊66カット目)と、②第一冊の大文第一「厭離穢土」の冒頭(第1冊44カット目)。厭離穢土えんりえど欣求浄土ごんぐじょうどの思想は、『源氏物語』橋姫はしひめ巻の「ただいとひ離れよとことさらに仏などの勧めおもむけたまふ」という宇治八の宮の言葉や、『紫式部日記』の「ただ阿弥陀仏にたゆみなく、経を習ひはべらむ。世の厭はしきことはすべてつゆばかり心もとまらず」といった文言にも確認できる。

 
項目内容
請求記号021-150-6
ヨミオウジョウ ヨウシュウ
Ōjō yōshū
資料別名
著者名源信撰
著者別名
出版者
サイズ
数量単位6(冊)
刊年建長5(1253)
コレクション
OPAChttps://opac.ryukoku.ac.jp/iwjs0005opc/BB32168307
IIIF ManifestIIIF Icon https://da.library.ryukoku.ac.jp/iiif/990034/1/manifest.json
関連リンク
備考●朱墨の書入れあり
●6冊目巻末に「建長五年在歳癸丑四月肇彫九月畢功願主道妙」とあり
●各冊巻末に「法恵」の墨書あり
カット数422
画像種別カラー