紫式部日記傍註

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紫式部日記傍註

解題

■2023年度展観「〈紫式部〉の物語」1-B/48
 本書の跋文ばつぶんに、「其ノ雅趣藻詞、実ニ源語ト伯仲ヲ相為ス」とある。『紫式部日記』の風雅な趣や文彩は、『源氏物語』のそれと優劣つけがたいというのである。これは、『紫式部日記』の「文体と情態」が「物語の趣にたがはぬ事」を“発見”し、『源氏物語』研究における作者の日記の重要性を宣言した安藤為章ためあきら紫家七論しかしちろん』(元禄16年〔1703〕(40参照)の影響が想定される。
 展示箇所(第2冊27カット目)は、時の権力者である藤原道長みちながが紫式部に色めいた歌を贈った場面。日記によれば、その夜、局を訪れた道長を式部は拒み、戸を開けなかったという。しかし、こうした記事が紫式部を「御堂関白妾みどうかんぱくのしょう」(『尊卑分脈そんぴぶんみゃく』)と見なすような憶測を生むことになった。

 
項目内容
請求記号915.35-3-W-2
ヨミムラサキ シキブ ニッキ ボウチュウ
Murasaki shikibu nikki bōchū
資料別名
著者名壷井鶴翁[著]
著者別名壺井義知
出版者[大阪]吉文字屋市左衞門
サイズ25.5×18.1(cm)
数量単位2(冊)
刊年享保14(1729)跋
コレクション
OPAChttps://opac.ryukoku.ac.jp/iwjs0005opc/BB21141395
IIIF ManifestIIIF Icon https://da.library.ryukoku.ac.jp/iiif/230702/1/manifest.json
関連リンク
備考●上巻頭に「紫女[系]譜」あり
●下巻末に後補(谷村光義)あり
●各巻頭に「尾池」「かみよし」の朱印あり
カット数85
画像種別