河海鈔

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河海鈔

解題

■2023年度展観「〈紫式部〉の物語」13/48
 室町幕府第2代将軍・足利義詮よしあきらの命により、貞治年間(1362~68)に作成された『源氏物語』の注釈書。博引傍証して出典考証するところに特徴があり、爾後の研究に大きな影響を与えた。「注釈は河海抄ぞ第一の物なる」(本居宣長もとおりのりなが『源氏物語たま小櫛おぐし』)と評されるゆえんである。本資料は寄合書よりあいがきで、中書本なかがきぼん(36参照)と覆勘本ふっかんぼんに大別される本文系統のうち、覆勘本系統に属する。同系統の高松宮家たかまつのみやけ本と同じ奥書が巻一末にあり。「青蓮王府」(青蓮院しょうれんいん)と「近衛蔵」の蔵書印があり、その伝来も注目される。
 展示箇所(第10冊6カット目)では、玉鬘たまかずら巻の大夫監たいふのげん「君にしも心たかはゝ」詠について、『紫式部集(紫式部家集)』18番歌「あひみむとおもふ心は」(5参照)との関連を注している。

 
項目内容
請求記号021-636-20
ヨミカカイショウ
Kakaishō
資料別名
著者名源惟良撰
著者別名四辻善成
出版者
サイズ27.7×20.8(cm)
数量単位20(冊)
刊年[江戸前期]
コレクション
OPAChttps://opac.ryukoku.ac.jp/iwjs0005opc/BB32188075
IIIF ManifestIIIF Icon https://da.library.ryukoku.ac.jp/iiif/230712/1/manifest.json
関連リンク
備考●写本
●寄合書き
●「近衛蔵」「青蓮王府」の朱印あり
●朱墨の書入れあり
●所収内容: 1冊目「桐壺 」, 2冊目「箒木, 空蝉, 夕顔 」, 3冊目「若紫, 末摘花 」, 4冊目「紅葉賀, 花宴 」, 5冊目「葵, 賢木, 花散里 」, 6冊目「須磨, 明石 」, 7冊目「澪標, 蓬生, 関屋 」, 8冊目「絵合, 松風, 薄雲 」, 9冊目「朝顔, 少女 」, 10冊目「玉鬘, 初音, 胡蝶, 螢 」, 11冊目「常夏, 篝火, 野分, 行幸, 藤袴, 真木柱 」, 12冊目「梅枝, 藤裏葉 」, 13冊目「若葉上, 同下 」, 14冊目「柏木, 横笛, 鈴虫 」, 15冊目「夕霧, 御法, 幻 」, 16冊目「匂宮, 紅梅, 竹河 」, 17冊目「橋姫, 椎本 」, 18冊目「総角, 早蕨, 宿木 」, 19冊目「東屋, 浮舟 」, 20冊目「蜻蛉, 手習, 夢浮橋」
カット数674
画像種別