三国七高僧伝図会

解題

■2023年度展観「〈紫式部〉の物語」24/48
　親鸞しんらんが浄土教の祖師と定めて尊崇した七人の高僧(龍樹りゅうじゅ〔南天竺〕、天親てんじん〔北天竺〕、曇鸞どんらん〔中国〕、道綽どうしゃく〔中国〕、善導ぜんどう〔中国〕、源信げんしん〔日本〕、源空げんくう〔日本〕＝法然ほうねん)の伝記を内容とする、図会ずえ形式の読本。挿絵は緻密で、各巻冒頭に口絵(登場人物を芝居役者のように描いた「繍像しゅうぞう」)も備える。
　展示箇所は、?付録の第六巻「聖徳太子伝」(22参照)の口絵(第6冊5カット目)と、②第三巻「源信和尚伝」の口絵(第3冊3カット目)。後者には源信(25参照)と慶滋保胤よししげのやすたね(?～1002、寂心じゃくしん)を描く。ともに紫式部の同時代人。源信は日本浄土教の祖で、藤原道長みちながも帰依した。『日本往生極楽記にほんおうじょうごくらくき』の著者でもある保胤は、紫式部の父、藤原為時ためときとも交流のあった文人。

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